若王子倶楽部 左右

Our Story

「漆」

 日本人の暮らしと深く関わってきた漆。

 日本で約一万年もの歴史があることをご存知ですか?
 
 私が漆を好きになって間もない頃、岩手県浄法寺の

 ある漆搔き(漆を採る)職人の方の存在を知りました。
  

 漆を採るために山に入る6月、その方は服を新調し、

 山御膳に御神酒と塩、鮎などの魚2匹を捧げ、木に傷を

 つけ、山をざわつかせることの許しを神様に請います。
 

 

 そして、作業小屋で漆搔きに使う道具を並べ、祈りを捧げ、その年の漆搔きが終われば、また小屋で感謝をします。
 
 10-20年かけて育てたうるしの木から、ひと夏かけて採れる漆はわずか200g程度、コップ1杯分くらい。

 うるしの木は、木の表面に傷がつくとその傷から菌が入って病気にならないよう、樹液を作りだします。
 そして傷を覆いカサブタを作ります。

 

 実はそれが漆の正体。身を守るために作りだす生命の営みです。
 

 その漆掻き職人の方は、うるしの木への負担を少なくするために、また命の滴である漆を大切にするために、

 道具を細かく調整し、木が病気にならないよう様々なことを見極めます。
 
 自然とまっすぐに向き合う姿勢と心、このような精神は日本特有のもの。
 

 日本産漆と海外産漆は、採り方や管理方法、値段など色々な事情がありますが、どちらが良い、わるいではなく、

 日本の心が創りだすものとして、日本産漆がもっと国内で使われることを願わずにはいられません。
 

 その精神は日本の軸足となるのではないでしょうか。

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